初の『BCS受賞作見学会』を開催!
安藤忠雄の“芸術”を堪能 ――建築系大学生が多数参加

 (社)建築業協会関西支部は、7月11日、関西の建築系大学生を対象に、兵庫県津名町にある第40回BCS賞受賞作『TOTOシーウインド淡路』の見学会を開催しました。この見学会は、昨年11月末に行われた『BCSセミナー』を受講した学生たちから沸き上がった要望に応えたもの。BCS賞を受賞した建築作品、特に企業の研修施設や宗教施設など、一般に見ることが難しいといわれている建築物を実際にチェックすることができます。学生たちの意欲が実を結んだ記念すべき見学会を通して、建築への想いがさらに深まるのではないでしょうか。


朝9時に大阪を出て、ようやく「TOTO シーウィンド淡路」に到着

常識という枠を超えた“安藤作品”が学生たちを魅了!

 そもそも、BCS賞とは優れた建築作品を創り上げた発注者・設計者・施工者の3者を称えるもの。今年で41年目を迎えるこの賞は、周囲の環境や景観にも配慮した建築物で、かつ後世に伝えるにふさわしいものに贈られます。

 今回、初の見学会を飾るのは『TOTOシーウインド淡路』。建築資材メーカー・東陶機器(株)の創業80周年記念事業として、1997年12月に出来上がった研修保養施設です。この施設は大阪湾を眼下に見下ろす急斜面地にあり、世界的な建築家・安藤忠雄氏が設計、竹中工務店と佐伯建設工業が施工を担当しました。

 しかし、この場所は急傾斜地というだけでなく、阪神・淡路大震災をまともに被った地域であり、震源地にほど近い敷地地盤の安全性や急斜面での工事の可否など幾多の難問を抱えていました。それらの問題を、地域に根差した海のある施設を創りたいという強い願いのもと、建築主、設計者、施工者が協力し合って克服。大胆で精緻な設計と周到な施工とで具現化し、1年10カ月の工期をかけて完成にこぎつけたのです。


ベランダからの眺望
断崖絶壁という言葉に相応しい眺めでした。

 学生たちは、当時、作業所長をつとめた竹中工務店の尾崎勝之氏の苦労話や投入された工法などの説明を食い入るように聞いていました。そして、ディテールにまでこだわりを持つ建築家・安藤忠雄氏の想いを確かめるように、“安藤芸術”をチェック。緑豊かな自然の中に溶け込んだ、独特のコンクリート打ち放しの外観や吹き抜けの空間などに魅入っていました。

 午後からは、淡路花博で賑わう淡路夢舞台へ。この施設も安藤忠雄氏が、海と空と緑と手を結んで、美しい空間を創造。学生たちは、ダイナミックな斜面に花と緑を配した百段苑をはじめ、100万個のホタテ貝をあしらった貝の浜の水辺、十字の天空窓を配したチャペルなどを見学。ここでも“安藤芸術”に酔いしれていました。


施工を担当した竹中工務店の担当者から施工当時の工事の様子を聞く学生たち

帰路、「TOTO シーウィンド淡路」を設計した安藤忠雄氏のプロジュースした「花博」会場にて途中下車。
「TOTO シーウィンド淡路」に設置されたのと同じエスカレータ・デザインが印象的だった。