第3回BCS賞受賞作見学会に参加して 馬場 知子
ゼミより見学会を優先して参加してくれた馬場知子さん(大阪産業大4回生)
『ガレリアかめおか』
「ガレリア」というのはスペイン語で「回廊」のことなんだそうだ。なるほど、このガラスの建築は全体が細長く、まるで回廊を思わせる。
内部空間には道の駅や図書室、コンベンションホールなどの施設を低層部に持ち、研修室や大広間を上層部に設けてある。この上下を結ぶためにスロープや階段があり、これらの床面積を占める割合が高い。そのためか回廊のなかにも回廊があるようでおもしろいと思った。細長い建物をガラスが覆っているので、空間はとても透明感があり、天井がとても高く開放感があふれていた。天井は一つとして同じところがなく、部屋ごとに単調な造りでないので施工に大変な時間と技術が必要だったそうだ。また道の駅として訪れてくる人々や利用者を見ても地域に根ざしていると思った。
『アサヒビール大山崎山荘美術館』
大正初期から昭和前期に建てられた大山崎山荘を修復して美術館になったため、昔の生活を家のいたる所に感じられた。そして内装に使われていた木や壁に使い込まれたたぬくもりがあった。
隣接する新館は、現代建築会の鬼才安藤忠雄さんの設計。打ちっぱなしでありながら、とても美しいコンクリートの肌に触れつつ、導かれるように階段をおりていくと円柱型のギャラリーにたどり着く。中に飾られたモネの「睡蓮」らの宝石のような絵画や彫刻をおさめた箱の建築はまさに「地中の宝石箱」でした。
また山荘だけに周りの自然も美しく、庭園の蓮池もまた大山崎の宝石のように思いました。
第3回目のBCS見学会は晴天にも恵まれ、素晴らしい建築を見学させていただきました。また、大勢の方と建築の空間で、感動したり感心したりする事を共感でき、とても嬉しかったです。次回の見学会はどんな建築を体験できるか、今からとても楽しみにしています。
第3回BCS賞受賞作見学会に参加して 呉 儼恒 蘇 紋儀
台湾からの留学生・呉さん(神戸大学院生・右)と蘇さん(大阪市立大学院生・左)
このたび、(社)建築業協会関西支部における『第3回BCS賞受賞作品見学会』を開催するきっかけで、私達はこのチャンスをつかみまして、見学会を参加させていただきました。大変有り離いでございます。
今回の見学地は『力レリアかめおか』と『アサヒビール大山崎山荘美術館』です。
スケジュールに対し、昼前は『ガレリアかめおか』、午後は「アサヒビール大山崎山荘美術館』の日程でしたので、ちょうど一日でゆっくり味わえる見学会と行楽日和でした。
一方、今回の見学会で、日本の建築技術と建築文化を結びになった空間構成と意匠表現には、非常に洗練されていると感じられます。特にそれぞれの建築家における独特の設計テクニック、および建築美学に対する執念さ、あるいは、ディテール部分までに拘るの建築観など、印象的にも一層強く残っています。せっかく日本に渡り、建築学を勉強する留学生の私達にとって、今回の見学会がよい学習経験になりました。そして、次のとおりに私達はこの見学会における学習成果を感想文で書かさせていただきたいと思います。
1.『ガレリアかめおた』について 蘇 紋儀
まず、『ガレリアかめおか』において、「道の駅」として、曽我谷川と国道9号線に挟まれた敷地に建てられています。4万平方キロメートル近い広大な空間に、様々な設備や機能を満載しています。この施設の相互間を緩やかに統合する空間がガレリアです。ガレリアを挟んで北側には町の駅、物産市場、レストラン、情報映像図書館、展示場、小ホールといった都市的な施設が、南側の自然度の高いほうには、生涯学習の中核機能や高齢者のためのエイジレスセンター等の研究、学習や福祉のための施設が層状に配置されています。
『ガレリアかめおか』という名付けから、ガレリアは大変重要な要素として取り入れていることがよくわかります。諸々の施設はガレリアに対してオープンに計画され、ここでは活動を見ること、見られることが新たな創造と交流につながりますように、それぞれの表情のしつらえは、人々に親しみを与えるような表現がうまく施されています。
また、景観への配慮、対応も深い印象を残っております。ガレリアの北側のブロックは低層に押さえて、屋上は植栽を施しています。内部から見たとき、国道沿いの雑然として景観をできるだけ視界から離れ、遠くの山並みだけを見せるように図れたからです。さらに、ガレリアの南西側は庭園に開かれて、川沿いの竹林の景観を借景として取り込んでいます。一方、建物主体は全面ガラス張りで、開放感を人々に与えていますでしょう。そして、ガラスの物理の特性により、昼間は周辺の美しい山並みをよく映っていまして、夜は内部のいきいきとした賑わいを見せる光の街路となります。内部では、ガラスが鏡面になりますし、ガレリアの構造体が左右に幾重にも反射しますし、空間が膨らんで、林のなかにいるような空間などが体験できます。
総合生涯学習施設を主旨として、『ガレリアかめおか』が誕生しました。そして細心に計画された環境の中で、多様な学習プログラムやイベントが展開され、人と人のふれあいができました。このガレリアは、人々が集まる多様なアクティビティに満たされて生きた直接の情報が交錯する場でもあります。
2「アサヒヒール大山崎山荘美術館」について 呉 儼恒
次の見学場所は、京都府の大山崎町に位置する洋風建築様式の山荘です。この建物は、大正から昭和初期にかけて、建てられた建築物ですので、修復する前の当時、山荘を壊して、新たな建物を建てようという計画もありました。一方、同時に建物が保存と再生を望むの声もありました。結局、最後は新たな美術館を加える計画が決まりました。そして、この計画の設計責任者は、有名な建築家である安藤忠雄さんに指名されました。
ところで、最初にこの建物を訪れたとき、安藤忠雄さんが賢任を負った作品だと思いませんでした。なぜかというと、私は大学時代のころ、安藤忠雄さんの大部な作品がほとんど回ってきたんですけれども、安藤忠雄さんはその建築表現に対する構造形態が抽象的な空間表現すること、機能主義が自然要素を取り入れること、および意匠工夫がシックなコンクリート打ち放し壁、かつ装飾が自然に近い色を調和すること、最後に幾何的な造形に簡潔なラインを加えることなど、安藤忠雄さんの主なデザインの特徴です。
しかし、建物全体の配置計画からみますと、新館のほうがあまりにも姿が森の中に隠されすぎるではないでしょうか、そして地中に埋め込んだ円形の展示室もあるような装置を意味していると思われます。一方、その一直線の下り階段には、まるで旧館と新館の架け橋として意味するので、すなわち、まったく違うの次元の空間の通路として繋がっています。ただ、この架け橋は真実の空間に存在しないのに、人間の感覚に対する時の流れの架け橋として意味すると考えられます。
また、一番面白いところは、その円形の展示室の中央にトップライトを設けたことであり、周知のように、一般の美術館の展示空間には、自然的な採光がほとんど避けているようです。代わりに、直接か間接的な照明方法を用っていることがごく普通であり、というのは、展示室に自然光を取り入れると、展示作品が痛むをつける恐れがありますので、そのような建築計画がなかなか見えていません。ところが、この建物の場合は、あえて自然採光を展示室に導き入れるように設計したことで、なんと典型的な建築常識を破れることだけではなく、建築家に対する新たな自己挑戦および他の領域の試みと意匠的な創出することではないかと思われています。それに、伝統的な建築教育と思想を受けた安藤忠雄さんが、この建物のプランニングにおいて、最初の一歩かつ大胆な試みを踏み出しました。
なお、山荘の保存と再生についてからみますと。新館の機能表現の突出と空間造形の目立つなどが、ずいぶん抑えながら旧館の存在を対応しています。一方、旧館の内部から雰囲気が漂ってきた濃くの味と、素朴な外部造形から伝えてきた厚重の姿を引き出すため、全体的な建築景観が配慮していると考えられます。
他方、かえって新館と旧館両方に位置する時代のコンテクストは、同時に存在することによって、強烈的な対比の光景を形成することが感じられます。すなわち、空間形態の表現から説明すると、単に古い建物だけの存在は、あくまでもたったの「古い」という文字通りの感覚だけです。そして、どの程度、どのぐらいの「古さ」の認識は新しいものをくわえて比較しないと、「もの」に対する「新」、「旧」の「程度」がはっきり表われないと思われます。それに、この建物の場合も同じだと思います。したがって、もしこの山荘の入り口は新館に設けるならば、まず、新館のほうが先に回ってから、つぎに旧館に入って、結果として、旧館に対する空間感覚と時間感覚は、なおさら激しい違う感覚が出てくると思われます。すなわち、この山荘を回すときに参観の順番次第、空間の時代背景に対する認識感覚の程度も左右されると思われます。
以上、今回の見学会における私達の見学後感想文です。また、最後に主催先の社団法人建築業協会関西支部に大変感謝しております、これからもよろしくお願いいたします。
呉 儼恒 蘇 紋儀 敬具
(お断り 台湾からの留学生である呉 儼恒 蘇 紋儀のお二人に見学会に参加した感想を書いて頂きました。なお、お預かりした原文のママに表記してあります)
〔受賞作品の概要〕
1)『ガレリアかめおか』 (所在地:京都府亀岡市余部町宝久保1−1)
2)『アサヒビール大山崎山荘美術館』(所在地:京都府乙訓郡大山崎町字大山崎銭原5−3)