大規模作業所見学会に参加して

京都工芸繊維大学院1年 宮本年美

〔建築概要〕

大阪市舞洲スラッジセンター建設工事

特  徴  舞洲スラッジセンターは、大阪市の臨海部8ケ所の下水処理場で発生した汚泥の集中処理を目的に建設されます。外観デザインは環境保護で有名なオーストラリアの故フリーデンス・ライヒ・フンデルトヴァッサー氏の手になるものです。

構造規模  SRC(一部S造) 地下1階 地上6階
敷地面積  約34,000u
延床面積  約40,000u
建築面積  約18,00u

 
国立国際美術館建築工事

特  徴  中之島西部地区開発の一環として大阪市立科学館の北側に建設される国際美術館。設計にはかの高名な「シーザーペリ」も参画しており、完全地下型の現代美術館として、わかりやすいゾーニングと特徴的なエントランスゲートが話題が集めています。

構造規模  RC(一部SRC)  地下2階 地上3階
建築面積  4,289u
延床面積  13,487u

1.大阪市舞洲スラッジセンター建設工事

 大阪市舞州スラッジセンターは物凄いデザインの建築だと話には聞いていましたが、本当に凄かったです。絵本に出てくるお城(?)のような外観でちょっとびっくりしました。なんといっても色の使われ方が独特で印象的でした。色とりどりの線やタイル、様々な形の柱、空と雲をあらわした外壁、真っ青な煙突など、すべてにおいて絵本から抜け出してきたかのようで、見るものすべてが本当に楽しかったです。そんなデコレーションを見ていると、フンデルトヴァッサー氏が自然をどう感じているかが少し分かったような気がしました。

 そんな数多いデコレーションの中でひとつ気に入ったのが、窓につけられている赤い三角マーク▼(非常進入ロに変わる開口部の印)が他のデザインと混ざって、ポップに見えたことです。今までこのマークは単に法規上必要なものとしてしか受け止められず、どちらかというと建築のデザインには邪魔なものであるようにしか感じられていませんでした。こんなにこの三角マークがデザインの上でプラスに働いてるのを見たことがなかったです。今、私は普通に「スラッジセンター」という言葉を使っていますが、私はスラッジセンターというものを知りませんでした。


2.国立国際美術館建築工事

 同じ職人さん泣かせの建築でも、国立国際美術館は少し違ったところで大変そうでした。デザインをどう表現するかというよりも、もっと根本的な構造の部分での苦労が感じられました。しかしその苦労のかいあってか、きれいな構造体ができていました。物凄い大きさのパイプが空中にそびえて(しなって?)いる様はとても印象的でした。この構造体が夕日に映える姿はとてもきれいでしょう。美術館の機能を持つプランも、地下深くまで自然光を取り入れられるように設計されていて、早く完成した姿を見たくなりました。 以上の2つの建築現場を見て最も感じたことは、やはり設計側と施工側のギャップというか建物に対する見方の違いです。設計する側がデザインを楽しんでいても、その楽しさ全てが施工側には伝わっていないように思えました(逆に施工側の苦労がどこまで設計側に伝わっているのかも分からないのですが…)。

 ですが、お互いの楽しさや苦労が伝えあえれば、今以上にすばらしい建物ができるのではないかと思いました。実際に物を造っている現場に触れられたことはとてもいい経験になりました。



大規模作業所見学会に参加して

大阪工業大学 石田雅信

 私は来年4月から建設・設備業に携わるため、現場の様子を知りたかったので、今回の見学会に参加させていただきました。このような貴重な機会を与えていただきました社団法人建築業協会関西支部の方々に改めて御礼申し上げます。

 さて、今回の大規模現場見学会では「大阪市舞州スラッジセンター」と「国立国際美術館」の建築工事を見学させていただきました。その各建築工事現場で感じた私なりの感想をそれぞれ書かせていただきます。

 まず、「大阪市舞州スラッジセンター」ですが、建設要旨は市内臨海部8ヶ所の下水処理場で発生した汚泥の集中処理を目的としたものですが、その外観デザインに大変驚きました。そのデザインはフンデルトヴァッサー氏によって自然調和を意識したもので、特に色使い・直線ではない各柱が印象に残っております。現場の方が模型に似せるのが難しいとおっしゃられていたのがよくわかる気がしました。また、この建物は注目すべきところが外観デザインだけでなく、機械設備にも新しい技術が導入されており、機械工学を専攻している私にとってはむしろ、こちらの方がメインだったのですが、見学させていただく場所には安全面から限界があり、設備をよく見ることができなかったのが少し残念でした。(おそらく機械設備を見学するのが目的だったのは私だけかもしれませんが…)

 つぎに、「国立国際美術館」ですが、この美術館は建物のほとんどが地下に建築されるという珍しい構造になっておりました。これは堂島川と土佐堀川の間に建物を建築しないことにより、2つの川をお互いに見ることができるという地理的にも配慮したものだそうです。

 確かにこの周辺は地上に多くの建物があり2つの川を意識することはあまりないのではないでしょうか。また地上にあるエントランスゲートは、そのデザインの複雑さからくるパイプの加工・溶接など機械技術を大いに用いたものだと思いました。デザインされたものを実際に作るには材料の選定から加工方法、各部品の組み立て方、構造など、あらゆる分野が合わさってなされていくものと知ることができました。

 最後に、今回の見学では建物を建築するためには上記で述べましたように建築以外にも多くの分野の知識・技術が必要であり、私のように機械を専攻している者にとっても大変参考になることがわかりました。と同時に、来年から機械や建築など他の分野の知識を数多く吸収していかなくてはならないので、残りの学生生活でできる限りのことをしたいです。