見学会感想
大阪工業大学 建築学科2回生 王 矛
僕は建築学科の二回生です。建築家を目指して、中国からやってきました。大学で色んな知識を身に付けると同時に、将来どういう風に使われるか、学力がどんどん落ちると言われた世代として、プロまであとどのぐらいあるのか、などなどの疑問がありました。今回の見学会は疑問を解明し、建築の社会に近付ける貴重な機会と思ってきました。
今回は「大阪市交通局新庁舎」と「新関電ビル」の建築工事現場を見学させていただきました。庁舎と事務所はさまざまの共通点と違いがあります。庁舎と事務所、両方を一緒に比べて、勉強するチャンスを与えられました。
大阪市交通局新庁舎建設工事
まず、「大阪市交通局新庁舎」の方を見学しました。
新庁舎の敷地は、旧庁舎と大阪ドームの間で、都心部と開発が進んでいる臨海地区を繋ぐ東西都市軸にあり、開発が期待されている地域です。建物は高層部と低層部がある。高層部の外観は隣の大阪ドームに配慮して作られた感じがします。PC板とアルミカーテンウォールの組み合わせによって、透明感を持つ印象がありますが、地上17階もあるので、ドームの曲線を圧倒する大きなボリュームを感じてしまった。低層部は旧庁舎の「面影の継承」をテーマとして作られ、3階デッキを大阪ドームのデッキと連続させて、新旧の調和とスムースな街並みをイメージさせた点は見事だと思います。
そして、構造的には、制振装置(オイルダンパー)214本が使われています。一つが百万円以上すると聞きましたが、人命を尊ぶことと災害時にも建物の機能維持を確保するためです。コア部分を抜いて、南側が23メートルの無柱空間になっています。将来のレイアウト変更に柔軟に対応するためです。これから設計の重要なテーマとして、忘れてはいけないでしょう。
3階のデッキと屋上部は植栽で緑化されて、省エネと同時に、人に優しい庁舎のイメージを与える工夫があります。
現場から出て、昼食を頂きました。他の大学の学生と知り合って、楽しい会話をしました。作り出したこの楽しい雰囲気の中で、次の現場へ向かいました。
中之島3丁目にある「新関電ビル」に到着しました。大阪のシンボルと言われた中之島には、中央公会堂をはじめ、歴史的建築物が多い。
新関電ビル建築工事
「新関電ビル」は、中之島西部地区開発構想に沿って、「人と、社会と、自然との共生」をテーマとして作られました。
外観を見た第一印象は周辺を圧倒する高さです。高さ制限があるので、一杯使って建てられています。窓は外壁から1.8m奥に設置された庇効果により空調負荷を低減する役割がある上に、この立法形の建物に豊かな表情を与えています。そして、頂部にある大スパン空間によって、連続ガラス壁が実現している。これは、外観の大きな見所ではないか。
構造的に、制震ディバイスを取り入れて、太陽光発電システム、河川水利用、地域冷暖房など先進技術と共に、ビルの安全性と信頼性を高めています。超高層ビルなのに、偏心コアを採用し、しかも北方にある美しい景色と安定した採光のために、コア部分を南に設置している。面白く意味深いと思います。せっかく3m以上にした基準階の天井は、大スパンの無柱空間によって開放感が感じられなくなった。ちょっと残念です。
質問の時間に、窓の外にある1.8mのスペースについて、鳩対策の質問がありました。一つの勉強になりました。自分の手で色んな素材を触る、現場の匂いを臭う、空間を体で感じる、そして担当者の説明を聞くことによって、自分は建築の本質にもう一歩攻め寄せたのじゃないでしょうか。今後も多くの作品を紹介していただけるようにお願いします。
〔建築概要〕
大阪市交通局新庁舎建設に伴う建設工事
特 徴 新庁舎の建設地・岩崎橋地区は、大阪ドームを核として安全でアメニティの高い都市型複合市街地の形成を目指して開発が進められている。今回見学する交通局新庁舎は、大阪ドームを中心としたデッキのネットワーク化により、遊び心を満たした歩行者空間の創出に努めるなどユニークな建物として注目を集めている。
構造規模 CFT構造(一部S造) 地下2階 地上17階
敷地面積 約5,230u 延床面積 約34,800u 建築面積 約3,900u
施工者 大林・清水・三星・大本・榎並共同企業体新関電ビル建設の内建築工事
特 徴 中之島西部地区開発構想の一環として登場する新関電ビルは、周辺地域にオープンスペースを設ける他、河川水を利用した地域冷暖房の採用や雨水・排水の再利用など周辺環境との共生を目指したモデルビルである。また施工に際しても、グリーン調達を始め、エコパネルの採用、建設副産物の発生抑制、リサイクル推進活動にも精力的に取り組んでいる。
構造規模 S造(一部SRC・RC) 地下5階 地上41階
敷地面積 約21,090u 延床面積 106,500u 建築面積 3,360u
施工者 竹中・大林・鴻池・淺沼・錢高・奥村共同企業体